「薄毛治療ってどんなことをするの?」
「自力で薄毛を治すのは難しいの?」
薄毛が気になり始めた方は、薄毛の治療を始めようか迷った経験があるものです。薄毛治療がどういったものなのかが分からず、漠然とした不安を抱えてしまう場合も多いことでしょう。
しかし、薄毛治療の種類や効果、コストが明確に分かれば薄毛の改善を目指しやすくなるはずです。そこで今回は薄毛の原因や薄毛治療の種類、自分でできる薄毛対策などを解説します。
男性の薄毛の3割はAGA(男性型脱毛症)が原因
日本人男性に起こる薄毛の約3割はAGA(男性型脱毛症)によるものです。ここでAGAのメカニズムを具体的に確認していきましょう。
AGAとは男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(以下DHT)」の影響で起こる脱毛症で、下記の過程を経ます。
- 本来筋量や骨量の増強をサポートする男性ホルモン「テストステロン」が体内の酸化酵素と結合することでDHTが生成される
- DHTが毛乳頭内で男性ホルモン受容体と結合して脱毛因子が生成される
- 脱毛因子が毛母細胞を攻撃し、髪の成長期が大幅に短くなる
脱毛因子の作用で今ある髪の短毛化や軟毛化、抜け毛の急激な増加が起こるのがAGAの症状です。なお、AGAの発症を左右する酸化酵素の活性度や男性ホルモン受容体の感受性は遺伝で引き継がれる要素のため、生活習慣の改善やヘアケアだけでは完治を目指せません。AGAの疑いがある場合、速やかにクリニックを受診してみましょう。
AGAの治療方法は5種類
クリニックでの代表的なAGA治療には下記の5種類があります。
- 内服薬
- 外用薬
- 注入療法
- 自毛植毛
- LED治療
それぞれの治療法の詳細を確認していきましょう。
①内服薬
AGA治療に用いられる主な内服薬は下記に挙げるものです。
名称 | 有効成分 | 働き |
プロペシア | フィナステリド | ・酸化酵素を抑制してDHTの生成を防ぐ |
フィナステリド錠 | フィナステリド | ・プロペシアのジェネリック医薬品 |
ザガーロ | デュタステリド | ・プロペシアよりも広範囲で酸化酵素を抑制でき、強い効果がある |
ミノキシジルタブレット | ミノキシジル | ・血管拡張の作用によって血流を良くし、発毛を促す |
内服薬による治療ではAGAの引き金となるDHTを抑制することで脱毛を防ぎつつ、同時に頭皮の血流を改善し発毛も促せます。特に脱毛を防ぐ作用のあるフィナステリド・デュタステリドは、日本皮膚科学会ガイドラインにてAGA治療への推奨度が最も高いAランクと評価されている医薬成分です。
参考:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
②外用薬
AGAの外用薬として一般的に用いられるのはミノキシジル外用薬です。ミノキシジル外用薬は脱毛のある部位に塗布することで血流を改善し、発毛を促せます。
またフィナステリドやデュタステリドと同様、ミノキシジル外用薬も日本皮膚科学会ガイドラインにて推奨度がAと評価され、AGA治療の有効性が認められている治療方法です。
③注入療法
注入療法は頭皮に栄養成分や成長因子、医薬成分などを注入することで毛母細胞を活性させ発毛を促す治療法です。薬剤の注入方法には注射針の使用や電子パルスの照射、ガスの噴霧などがあります。代表的な注入療法は下記に挙げるものです。
名称 | 特徴 |
メソセラピー | ・栄養成分や成長因子、医薬成分などを頭皮に注入する。
・クリニックによって薬剤に配合される成分が異なる。 |
HARG療法 | ・成長因子(150種以上)配合の「HARGカクテル」を使用
・クリニックによらず、同一の治療薬を用いた施術が受けられる。 |
メソセラピーに用いられる薬剤の内容はクリニックによって異なります。例えば、HARGカクテルと同様の成分が配合されたメソセラピーがあれば、成長因子よりもビタミンや医薬成分の配合濃度が高いメソセラピーもあるでしょう。ご自身のニーズに合う治療を見極めるためにも、事前に治療内容を確認しておくことをおすすめします。
④自毛植毛
自毛植毛とは脱毛のない部位の自毛を採取し、脱毛患部に移植する施術です。自毛植毛の施術方法には下記があります。
名称 | 特徴 |
FUT法 | ・メスで頭皮を帯状に切除し、自毛を採取する方法。
・他の植毛施術に比べると安価ではあるが、ダウンタイムが必要となる。 |
FUE法 | ・パンチを用いて自毛を毛穴ごとにくり抜く方法。
・術後の傷が目立ちにくい |
ニードル法 | ・植毛の際、予め採取した自毛を針に仕込み、頭皮の穴あけと同時に植毛を行う方法。 |
ロボット植毛 | ・FUE法の一種。
・自毛の採取と移植を機械が行う。 ・施術が早いが手技に比べると繊細さに欠ける。 |
Hair Strong植毛 | ・FUE法の一種。別名「ハンドメイド植毛」。
・施術に用いられるパンチが極細で、髪質や毛並み、頭の形に応じた仕上がりに期待できる |
それぞれの施術によってダウンタイムやコストが異なるため、ご自身のライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
⑤LED(光線)治療
LED治療とは、高輝度のLEDを髪が作られる毛乳頭に向けて照射することで、毛母細胞の活性や血流の改善を促す治療法です。副作用やダウンタイムがほとんど無いため、身体に負担をかけずに治療を進めたい方に適した治療法といえます。
また専用の機材を購入すると、自宅にいながらクリニックさながらのケアができるのもLED治療のメリットです。ただし専用機材を購入するには、医師の診察が必要となります。
AGA治療でポピュラーなのは投薬治療
AGA治療で最も一般的な治療法は投薬治療です。内服薬ではAGAの根本的な原因にアプローチできる上、注入療法や自毛植毛に起こりがちなダウンタイムの心配もありません。
また万が一薬が体質に合わなかった場合も、医師に相談することですぐに薬の量を減らしたり服用を中断したりできるため、安全性の高い治療法といえます。初期のAGAは内服薬による治療だけで脱毛の進行を食い止められるケースが多く、投薬治療から始める場合がほとんどです。
自分でできる薄毛対策のポイントとは?
AGAを根本から治療するにはクリニックの受診が必要ですが、生活習慣の改善やヘアケアの見直しによって脱毛の進行を緩やかにできる場合があります。下記の項目は育毛や発毛をサポートし、AGA治療の効果を最大限にできる試みです。
- 良質なタンパク質を中心とした栄養バランスの良い食生活
- 良質かつ十分な睡眠
- 禁煙・禁酒
- ストレスの回避や発散、ストレスへの耐性の強化
- 適度な運動
- アミノ酸系やベタイン系などの低刺激シャンプーの使用
- 整髪剤やトリートメントを頭皮に付着させないこと
栄養の不足やストレスによる自律神経の乱れ、運動不足や睡眠の質の低下からくる血行不良は髪の毛を作る毛母細胞の活性の低下や頭皮環境の悪化につながる要因です。内服薬を初めとしたAGA治療を効率的に進めるためにも、健全な生活と適切なヘアケアを心がけましょう。
薄毛治療についてよくある質問
ここで、薄毛が気になる方や薄毛治療を検討されている方によく挙がる疑問を紹介します。
Q1.AGA治療の費用相場はどれくらいですか?
AGA治療は保険適用外のため、治療にかかる費用が高額になりがちです。最も一般的な投薬治療の場合、費用相場はひと月に3000円から15,000円程度となります。また、投薬治療に外用薬を併用した場合、薬にかかる費用は月額3万円弱と考えて良いでしょう。ただし、運営費用のかからないオンラインクリニックを選ぶと、薬にかかる費用を大幅に抑えられる場合があります。
Q2.AGA治療の効果が出るまでの期間はどれくらいですか?
投薬治療を始めてから発毛の効果が実感できるまで、最低でも半年程度は必要です。ヘアサイクルがAGA治療によって正常化してくると、新たな髪の毛が毛根に生まれ弱った髪が抜け落ちる「初期脱毛」が起こります。
初期脱毛を経て毛根の髪が毛幹(頭皮から生え出た部位)となり太く長く成長するには、半年以上の期間が必要です。治療を始めて間もないのに「目に見えた効果が感じられない」と独断で治療を中断してしまうことは避けましょう。
Q3.女性の薄毛治療も男性と同じですか?
女性の薄毛治療は男性とは異なる内容です。そもそも、女性の薄毛が起こるメカニズムは男性と異なるため、薄毛治療に適用される薬剤も違ってきます。男性向けのAGAクリニックがある一方、女性患者を対象とした薄毛クリニックが存在するのは、両者それぞれに特化した治療を進める必要があるからです。
薄毛治療の効果が出るまでのヘアスタイルも楽しもう
薄毛治療を初めてもすぐに髪が増えたりボリュームがアップしたりするわけではありません。発毛の効果が感じられるようになるまで、ヘアスタイルに困ってしまう方は多いことでしょう。
薄毛を隠すために帽子を使う方がいますが、被りっぱなしの状態では頭皮の蒸れや雑菌の繁殖につながり頭皮環境の悪化を招く恐れがあります。また、薄毛を目立たなくするためのヘアスタイルにもハードタイプのワックスやスプレーを使う必要があり、頭皮の毛穴詰まりにつながりかねません。
そこで手軽に薄毛をカバーできるアイテムとしておすすめなのが、ヘアスプレー「カックス」です。CAXは髪の毛1本1本をコーティングすることで自然なボリュームを再現できる上、水で簡単に擦り落とせるので毛穴詰まりの心配もありません。薄毛治療をされている方、薄毛が気になり始めた方はCAXを取り入れることで健康的なヘアスタイルを創出し、ストレスなく外出できるでしょう。